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素朴ながら高い健康効果を誇る日本の漬物! ご当地漬物専門店「やなぎに桜」を訪問

漬物は、お手頃で人気のある発酵食品であるだけでなく、日本料理においてヘルシーで栄養価の高い食品と見なされています。漬物は古くから和食の付け合わせとして、また料理を彩る彩りとして登場してきました。野菜の種類や加工方法は、日本の漬物の特徴の一つです。日本の漬物についてもっと理解してもらうために、今回、tsunaguJapanの編集者は、東京の漬物専門店「やなぎに桜」を訪れ、漬物の世界について店主に教えていただきました。

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1. 漬物とは?

「漬物」とはその名の通り「漬ける物」という意味です。野菜、果物などの植物性食品、あるいは肉、魚などの動物性食品も利用することができます。いわゆる「漬物」とは、塩や酢などの香辛料を用いて、野菜などを発酵させてから、味をなじませたものです。これは、元々原始時代に始まった寒い冬に食べ物を保存する方法だと言われています。

日本の記録によると、漬物は奈良時代に日本に初めて登場しました。当時、漬物に使われていた主な野菜は、大根、なす、大豆、冬瓜、にんにくなどだと言われています。平安時代までは、貴族や僧侶などの上流階級だけの高級料理とされていました。野菜は非常に少なく、野菜を育てることは今日ほど普及していなかったからです。漬物の本来の目的は、冬など野菜が手に入らない時期向けに野菜を保存することでした。しかし、江戸時代になると、野菜や副材料の種類が増え、漬物も多様化し、漬物の味に注目するようになりました。また、当座付けや一夜漬けなどの浅漬けが登場した時期でもあります。漬物はもはや単なる食品の保存方法ではなく、食品の調理方法になったのです。

2. 日本の漬物の特徴は?

漬物はそれほど特別な料理ではなく、他国ではさまざまなバージョンを見かけることでしょう。しかし、多様性と豊富さというところから言うと、おそらく日本がトップクラスであり、「世界有数の漬物大国」とも呼ばれています。日本では、大根、きゅうり、茄子、人参などの一般的な野菜から、ゴボウ、山芋、オクラのような特別な野菜まで、あらゆる種類の野菜を漬物にすることができます。四季のおかげで、季節ごとにそれぞれの代表的な野菜があるため、漬物もほぼ一年中作られています。

また、国産野菜は素材や副材料によってそれぞれの漬け方が異なります。それによって、独特の風味を持つ多種多様な漬物が生まれました。漬物の種類は以下となります。

-    浅漬け:塩、醤油、酢などの香辛料で薄めた水に野菜を軽く漬け込みます。青菜の色や風味がしっかり残り、塩辛くなく、酸味も少なく、つけてすぐに食べられる漬物です。
-    塩漬け:野菜を塩漬けに長時間漬ける伝統的な方法です。この漬け方は非常に簡単で、野菜本来の風味が残っています。食品を長期間保存することができます。
-    醤油漬け:野菜を醤油などの調味料や香辛料に漬け込んだものです。漬ける前に野菜は塩漬けまたは乾燥させていました。
-    酢漬け:野菜を酢と塩、砂糖、唐辛子、胡椒などの調味料に漬けたものです。酸味があるため、味覚が刺激されます。塩漬けでも酸味はありますが、この方法では短時間で漬物を楽しむことができます。
-    糠漬け:野菜を米ぬかに塩と水で漬け込み、乳酸菌で発酵させたものです。発酵の過程で独特の香りと味わいが生まれます。
-    粕漬け:酒粕やみりん粕に野菜を漬け込み、酒粕の程よい甘さが特徴の漬物です。野菜だけでなく、魚介類や肉類も、この方法で漬けることもできます。
-    麹漬け:麹菌に塩と砂糖を混ぜた調味料に野菜を漬け込んだものです。白菜、茄子、大根などの野菜は、塩漬けしてから漬け込むのが一般的です。程よい塩気とほんのり甘い味が特徴です。

3. 何千年もの間、伝統的な日本料理に用いられてきた健康的な食品

漬物を食べる日本人の習慣は、平安時代に登場してから現在まで維持されています。本来は野菜の保存のために作られた漬物ですが、その食べやすさと栄養価から人気が高まり、和食に欠かせない存在となっています。和食は「ご飯」と「汁物」、そして「漬物、煮物、焼き物」の3つの副菜で構成されています。「四季折々の自然の恵みを大切に」という理念を掲げ、旬の素材本来の味を活かす加工法にこだわるのは和食の特徴です。それが和食の栄養バランスや健康効果が高く評価される要因でもあります。和食に欠かせない漬物は食卓を彩るだけでなく、食事の栄養バランスを整える役割も果たします。

漬物自体は生野菜よりも食物繊維が多いので、便秘や肥満、コレステロールが高い人にはとても重宝します。さらに、漬物は調理する必要がないため、野菜にあるビタミン、ミネラル、繊維の含有量を失うことはありません。また、お酢、味噌、米ぬかなどの漬物の副材料も健康にとても良い発酵食品だとみなされています。塩漬け、糠漬け、麹漬けなどの発酵法で加工された漬物は、醸造過程で乳酸も生成され、消化器系や腸管に非常に有益です。

漬物は健康食品とされていますが、塩分が多いというデメリットもあります。漬物を食べ過ぎると塩分が体内に吸収され、血圧や心臓病などの病気の原因となります。酸味が食欲をそそりますが、食べ過ぎには注意しましょう。

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4. 無添加の伝統的な漬物が豊富に揃う「やなぎに桜」

今回は日本の漬物について知るために、東京の千駄木駅にある漬物専門店「やなぎに桜」に足を運んで、店主の柳沢さんにお話を伺いました。「やなぎに桜」は、千駄木駅から徒歩2分ほどの小さな漬物専門店です。お店の外観は、青黒い暖簾と「漬物」と書いてある渋い看板で飾られています。通りかかった人はその外観の雰囲気に魅了され、思わず足を踏み入れてしまうことでしょう!

店主の柳沢さんは築地市場の漬物店で働いていました。バイヤーは飲食店関係者が中心で、味や品質よりも価格を重視します。しかし、専業の販売員である柳沢さんは、自分の好きな美味しい漬物をお客様に紹介できないのはもったいないと感じ、自分のお店を開くことを決めました。そして、2011年、「やなぎに桜」が正式オープンしました。最高の漬物をお客様に味わっていただきたいという思いから、柳澤さんが今まで味わった中でおいしいと感じた漬物を厳選し、お客様に紹介しています。

全国のご当地漬物が集まる

「やなぎに桜」では、現在、全国から選りすぐりの漬物を約50種類取り揃えています。地域ごとに漬け物の作り方が異なるだけでなく、気候や地形によって、その地域で育つ野菜の味も異なります。 

柳沢さんが地域ごとの漬物の違いを紹介してくれました。北海道や東北のように雪が降る寒冷地では、冬がとても長いため、漬け物を発酵させて長期保存することが多いそうです。京都など温暖な気候の関西地方では、保存よりも風味を重視する地域が多いので、漬けてから比較的早く食べることで有名な「浅漬け」が多いそうです。九州は大根の産地として有名で、気候はさほど寒くはありませんが、収穫量が多いことから、たくあん漬け(大根を干してから約数か月間米ぬかに漬ける)が有名です。

また、野菜や漬け方は同じでも、地域によって味は違います。どの漬物が自分の好みに合っているか、食べ比べてみてください。

無添加の伝統的な漬物が多い

「やなぎに桜」の漬物は他の漬物店の漬物と何が違うのかを尋ねると、「国内栽培の野菜を使った無添加の漬物を選ぶように心がけています」と柳沢さんは語ってくれました。 柳沢さんによると、漬物はもともと非常に健康的な食品でしたが、今日では多くの防腐剤や着色料を使用することで、本来の健康効果が失われるようです。約1000年前に作られた伝統的な漬物は、当時日本では手に入らなかったため添加物を含まない商品でした。添加物が日本の漬物に使われ始めたのは、約100年ほど前からのことです。 

現在、「やなぎに桜」で販売されているのは、半数以上が無添加の漬物です。柳沢さんによると、無添加の漬物の数は多くないそうです。添加物を使わず、昔ながらの製法で作られた漬物を見つけるのは簡単ではないからです。しかし、一番おいしくて健康的な漬物を皆様にお届けしたいという想いで、今後も無添加商品をどんどん増やしていきたいとおっしゃっていました。また、当店のさまざまな種類の漬物を通じて、日本人が漬物を食べるという古い習慣に戻ることを後押しできることを望んでいる、と柳沢さんはおっしゃっていました。

漬物の健康効果のある食べ方

「やなぎに桜」の店主の柳沢さんによると、現在の漬物は、昔のように保存するだけではなく、味や健康効果があるということで、徐々に注目を集めているそうです。野菜は日に日に増え、一年中育てることができるので、旬の野菜を楽しむことができます。その季節に食べられる食べ物は、やはり最もおいしく、最も栄養価が高くなります。夏はきゅうり、冬は大根、秋は生姜の酢漬け、春は山菜などを食べます。

「やなぎに桜」の代表的な漬物

一番人気の「浅漬けザーサイ」

ザーサイは、中国の重慶原産の高菜の一種です。「やなぎに桜」の浅漬けザーサイは、数種類のハーブやスパイスを混ぜた白醤油に漬け込みました。浅漬けの漬け方で、ザーサイ本来の緑色と風味が保たれています。ザーサイ特有のカリッととした食感が、多くの人に愛される漬物です。とても珍しい漬物ですので、「やなぎに桜」に行く機会があれば是非購入して味わってみてください。

やなぎに桜ならではの「レモン大根」

他ではなかなかお目にかかれない「やなぎに桜」のオリジナル漬物です。他のお店のように柚子を使うのではなく、ここでは大根をレモン漬けにしています。食べてみると、レモンの香りとほのかな甘み、特に口の中に広がる爽やかさに驚かされます。 

外国人観光客に一番人気の「いぶりがっこ」

外国人観光客がお店に来て一番買う商品は「いぶりがっこ」です。いぶりがっこは、大根を使った秋田県の代表的な漬物です。大根を燻製して乾燥させ、米ぬかに漬け込みます。いぶりがっこは、塩味、甘味、燻香、そして歯ごたえのあるバランスがとれた味わいです。

やなぎに桜で作られる糠漬け

人参、大根、きゅうりなど、「やなぎに桜」で作られる糠漬けは数種類あります。もちろん、すべて無添加です。

現在、「やなぎに桜」ではオンライン販売ページと海外発送サービスを行っています。日本国内だけでなく、日本の漬物を味わってみたい海外在住の方も気軽に注文できます。

Klook.com

まとめ

漬物は和食に欠かせない存在です。食卓に彩りと風味を添えるだけでなく、栄養価も高い健康効果のある食品です。作り方は簡単で、家でも作れるものですが、全国各地の珍しい漬物を楽しみたい方は、東京の漬物専門店「やなぎに桜」に足を運んでみてください。友人や親戚のために日本の特産品を購入しようとしているときにも、これらは素晴らしいお土産になるでしょう。

この記事に掲載されている情報は、公開時点のものです。

ライター紹介

Nguyen
Nguyen Loan
東京在住のベトナム人です。約2年間日本に滞在しており、これから長く滞在して、新たな土地や人々についての興味深いことを探り続けたいと思っています。Tsunagu Japan上の記事を通じて、私自身の体験をお届けし、人々を日本に近づけたいと思います。
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