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抹茶の世界に足を踏み入れよう 〜築地に誕生した新しい抹茶専門店 Matcha Stand Maruni~

日本の歴史で何千年もの間受け継がれてきた抹茶は、現代でも人々に愛されています。抹茶パウダーは、そのまま飲むだけでなく、ミルクを加えて抹茶ラテなどの飲み物にしたり、デザートや料理に使ったりと、抹茶を使った食品がたくさん出回っています。しかし、抹茶文化となると伝統的な茶道を抜きにしては語れないでしょう。 敷居が高く、近寄りがたいという茶道のイメージを覆すべく、東京・築地場外市場にある抹茶専門店「Matcha Stand Maruni」は、こだわりと親しみやすさの両立を図っています。プロ仕様の茶道具を販売するだけでなく、お点前の実演など、抹茶文化の普及に力を注いでいます。

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※この記事はMatcha Stand Maruni様のご協力を頂き、作成しました。

抹茶は何からできている?

抹茶は緑茶の一種ですが、摘む前に茶の木に覆いをして日光を遮り、お茶の風味と旨味を高めるという少し変わった方法で栽培します。 収穫後、高温で蒸し、揉まずに乾燥させて「碾茶」にしたのち、粉砕して粉末にします。

抹茶パウダーの色は鮮やかな緑色で、香りは深みがあり、茶葉やパウダーの種類によって味には細かい違いがあり、苦みや甘みを感じることもあります。茶道では、抹茶は茶筅(竹製泡立て器)を使用する必要があり、小刻みに腕を振って点てることで、お茶がより繊細で濃厚になるのです。抹茶は使用する量に応じて、濃茶と薄茶に大別できます。

現在の抹茶市場では、消費者が飲みやすいように砂糖または脱脂粉乳を混ぜて、さまざまな種類のインスタント飲料を提供しています。パッケージの指示に従って水または牛乳を加え、よくかき混ぜるだけで、おいしい抹茶のできあがりです!

日本の抹茶と茶道の文化

抹茶は 12 世紀に中国から日本に伝来しました。もともとは貴族の間で飲まれていましたが、茶道具、装飾用具、さらにはお茶を飲む場所や作法にまで美意識が高まり、茶道の美学は徐々に形作られました。茶道は、お茶を味わうだけの単純な行為ではなく、お茶の美しさで心を豊かにする儀式です。内面的には調和、静寂、純粋さに基づく瞑想の一形態であり、外面的には主人と客の間に絆を築き、相互の友好を深めるものでもあります。

千年にわたり栄えてきた伝統的な茶文化である抹茶は、2010年に海外で抹茶ブームが起きて以来、日本を象徴する存在となりました。 インスタントの抹茶が手軽なことから抹茶の人気が高まり、忙しい現代人でも手軽に抹茶を飲むことができるようになりました。しかし、インスタントは便利ですが、やはり淹れたての抹茶とは味が違いますし、伝統茶道には何物にも代えがたい魅力があります。

インスタントの抹茶と挽きたての抹茶の違いを知りたい、抹茶の世界に足を踏み入れてみたいけど何から始めたらいいかわからない、そんな方のために、tsunagu Japan 編集部が築地の抹茶専門店「Matcha Stand Maruni」をご紹介します。

築地場外市場の隠れ家的な抹茶専門店 Matcha Stand Maruni

抹茶は世界的に有名ですが、美味しい抹茶の作り方を知らない方も多いのではないでしょうか?2018年、新たな形で抹茶文化を発信したいという想いから、築地場外市場に抹茶専門店「Matcha Stand Maruni」が誕生しました。 一般的なお茶屋さんとは違い、粉茶や茶葉、各種茶道具などお茶関連の商品を一度に揃えることができる専門店です。

店主は抹茶と海苔の二刀流

最近の流行語を使えば、店主の伊藤信吾さんは「二刀流」です。海苔専門店の息子として、中学生の頃から休日は築地で家業を手伝い、接客していました。その後、約15年の修業を経て正式に父の跡を継ぎ、100年続く海苔店の四代目当主となりました。店の経営の傍ら、小学校や地域センターで海苔に関する講演を行い、海苔の知識を伝えることにも時間を割いています。

海苔と抹茶は一見関係がなさそうですが、伊藤さんにとってはどちらも守りたい、広めていきたい美しい日本の伝統なのです。 実は、海苔と抹茶には共通点があります。どちらも湿気に弱い食材であり、専門的な管理を必要とします。そのため、昔ながらの海苔店がお茶も販売しているケースが多く、また、その逆もよく見かけます。

アートギャラリーのような洗練された店構え

伊藤海苔店の築地店と同じ通りに、伊藤さんは独自の日本茶文化の世界を立ち上げました。 それが、今回ご紹介する抹茶専門店「Matcha Stand Maruni」です。まるでアートギャラリーのように整然とした店内には、茶道や料理にも使用される抹茶パウダーをはじめ、茶筅、茶碗、茶漉しなどの茶道具など、抹茶に関するあらゆるものが展示されています。その他、緑茶、ほうじ茶、玄米茶など日本茶の茶葉やティーバッグも販売しています。

注文を受けてからお茶を点てる実演の極意

Matcha Stand Maruni では、抹茶や本格的な茶器を自宅に持ち帰って楽しめるほか、抹茶を点ててくれる実演もあり、洗練された雰囲気のバーの前で抹茶が点てられる様子を見ることができます。

店員さんが抹茶をすくって茶漉しでふるうと、細かい粉末が片口碗に少しずつ落ちていきます。そして、バーテンダーのようにきちんと量ったお湯をゆっくりと注ぎます。それから、片手で片口碗の取っ手を持ち、もう片方の手で茶筅を手に取り、手首を使って素早くリズミカルにお茶を泡立てます。注文ごとにこんな風にその場でお茶を点ててくれます。一杯一杯に、心が込められています。

Matcha Stand Maruni の抹茶は、全て抹茶の聖地・京都宇治産で保存料などが無添加のため、抹茶本来の味と香りがそのまま堪能できます。一方で抹茶を飲んだことがない人は、口に合わないかもしれないので、ミルクを加えた抹茶ラテも提供しています。カフェラテがエスプレッソの杯数を選べるように、Matcha Stand Maruni の抹茶ラテでも抹茶の濃さをお客さんが1杯または2杯と選べるようになっています。

この日は、抹茶を2倍入れた濃いラテを注文しました。その場で泡立てた濃厚な抹茶液がまろやかな冷たいミルクに注がれ、見ているだけで思わずため息が漏れる贅沢なドリンクができあがりました。暑い日に思わず笑顔になる、調和のとれた丸みのある口当たり。 飲み終わったあとも、口の中に上品なお茶の香りが漂います。

伝統精神の実践と体現

前述のように、抹茶文化は粉そのものだけでなく、抹茶を点てる過程で使う茶器も重要です。 店内で販売している茶道具はすべて店内で使用されていて、実際の使用感を間近で見ることができます。例えば、伊藤さんが抹茶を点てるときに使っている片口碗は、千年の歴史を持つ愛知県の至宝、職人が手作業で作った「常滑焼(日本六古窯のひとつ)」の名品です。

常滑焼は京都の清水焼の影響を強く受けており、ひとつひとつ手作りで作られています。 急須づくりで最も重要な技術は蓋と胴がピタリとはまることであり、他のすべてのパーツを組み立てる技術には熟練した匠の技が必要です。

なお、伊藤さんは職人の名品をお店に置いて販売するだけではなく、自ら産地に足を運び、職人を訪ね、急須づくりの技術を学ぶことで、茶の湯をより一層深く理解しようとしています。

Matcha Stand Maruniに協力している窯元が制作しているのは、土の伝統的な特性を活かしたものだけではありません。この片口碗には現代的でモダンなスタイルが取り入れられていて、伝統と現代の架け橋になりたいという伊藤氏の思いに沿っているでしょう。抹茶ドリンクの提供方法から販売する道具、物語に至るまで、すべてに伊藤さんの哲学とこだわりが随所に感じられました。

抹茶文化の新たな一面を発見

抹茶の品質にこだわりたい方には、伝統的な高級茶道具も多数取りそろえています。例えば、美味しい抹茶を点てるには、細かい泡を立てる茶筅が欠かせません。

茶筅は、竹の種類、穂先の形(前方に枝を散らした竹を穂といいます)、長さ、糸の色などで区別され、さらに流派ごとに用途、種類、形が細分化されます。 こちらで販売している茶筅は72本立(穂の数が72本あるもの)で、薄茶にも濃茶にも適しています。

伝統は継承する事も大事ですが、現代人の日常に合わせてアレンジし、長く続けていく必要もあるでしょう。従来の柄の短い茶筅の他に、穂先が小さくて柄が長く、かき混ぜスプーンのように持ちやすい現代版の茶筅もあります。持ちやすいだけでなく、マグカップなど一般的なカップにも使え、初心者にもとても親切で使いやすくなっています。

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抹茶の世界に足を踏み入れる出発点として

日本の抹茶文化は奥が深く、簡単な文章ではとても紹介しきれません。抹茶の世界に興味はあるがなかなか踏み込めないという方は、築地にある「Matcha Stand Maruni」に足を運んでみてはいかがでしょうか?気さくな店員さんがどんな質問にも答えてくれます。築地場外市場に乾物を買いに行くついでにちょっと立ち寄って、お店で点てたての抹茶を味わうのも楽しいですね。

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ライター紹介

Fuchi
Fuchi Pan
台湾出身、東京在住。手仕事の器や好きなものに囲まれる暮らしに憧れています。
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