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全国から厳選した卵を扱う専門店「喜三郎農場」に聞いた! 日本の生卵の美味しい食べ方

日本ほど生食の料理が豊富な国は珍しく、日本ではなんと肉や魚以外にも生で卵を食べる習慣があります。生卵をご飯にのせた卵かけご飯や、すき焼きのつけダレとして使うなど、さまざまな料理に生卵が登場します。そこで今回は、東京の卵料理専門店「喜三郎農場」に足を運んで、生卵を安心して食べられる秘密、生卵の美味しい食べ方を店主に教えてもらいました。

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生卵を食べる日本人の不思議な習慣! 日本の卵は本当に生で食べられるの?

世界中の多くの国では、生卵を食べることは非常に危険だと考えられています。管理状態の悪い生卵はサルモネラ菌に汚染される可能性が高く、汚染された食品を食べると、食中毒になり、発熱、胃痙攣、下痢などの症状を引き起こすことがあります。特に乳幼児や高齢者の場合は致命的な症状になりやすいです。それを恐れる多くの外国人は生卵を食べる日本人の習慣に驚いています。

日本人は江戸時代から卵を蒸したり直火で調理したりして食べるようになったと言われています。 明治時代になってから、生卵を食べる習慣が生まれたそうで、最初の料理は卵かけご飯だと言われています。 その後、すき焼き、月見うどん、海鮮丼などの生卵を使った料理が次々と誕生しました。

それでは本当に、日本の生卵はサルモネラ菌に汚染されていないのですか?・・・正解は、はいその通りです。

日本の養鶏場では、鶏が他の動物と接触しないように感染予防措置を行うなど、厳格な規制のもと衛生管理が徹底されています。また、飼料の供給元も厳しく管理されており、「飼料安全法」に従う工場で生産された飼料のみを与えています。収穫された後の卵は、検査と分類のために GP センターに運ばれます。ここでは、包装して市場に流通する前に、食品の安全性を高めるために、洗浄、殺菌など衛生基準規則に即した手順が踏まれます。日本では鶏肉と卵の両方がサルモネラ菌汚染のリスクを防ぐために徹底的に管理されています。

また、日本では市場に出荷された卵には約2週間の賞味期限が付けられています。この賞味期限は「生の状態でも食べることができる期限」を示しています。そのため、賞味期限が切れた後でも食べることができますが、しっかりと加熱調理をする必要があります。このような賞味期限の書き方は珍しく、日本以外の多く国では、生で食べることを想定していない長めの賞味期限(または消費期限)が書かれています。おそらく生食文化がなく加熱調理が前提となっているため、外国の国は卵の賞味期限が長いことが当たり前になっているそうです。このように、日本の卵は衛生管理が徹底されており安全性が担保されているため、生卵の食中毒のリスクを心配する必要はありません。

卵かけご飯:日本で一番有名な生卵の料理

日本では、生卵を使った料理がたくさんありますが、一番有名なのは卵かけご飯です。 米、卵、醤油から成る料理で、日本人の定番の朝食メニューだと言われています。

日本人はいつから卵かけご飯を食べ始めたのか?

明治時代に岡山県久米郡美咲町(旧・美作国久米北条郡垪和村)出身の従軍記者だった岸田吟香(1833-1905)が、卵かけごはんを最初に食べ、周囲に勧めたと言われています。昭和2年に発行された雑誌に、岸田吟香がご飯の上に生卵、塩、トウガラシを乗せたものを食しており、それを「鶏卵和(けいらんあえ)」と呼んでいる記述が登場しています。その後、日本の卵かけご飯は家庭の食卓に登場し、徐々に人気を博しました。そして今では日本食文化の代表的な料理になり、多くの外国人にも知られています。また、日本の若い人たちは、卵かけごはん(Tamago Kake Gohan)の頭文字をとって「TKG」と略して呼んでいます。

材料も調理もとてもシンプルで手早くできる料理なので、日本人は朝によく食べています。卵とご飯の組み合わせで、栄養たっぷりで元気になれる朝食です。卵には、脂質、カルシウム、マグネシウム、ビタミンB2、鉄分などが豊富に含まれています。ビタミンB群は加熱すると壊れたり失われたりするそうです。生で食べることでビタミンをそのまま体内に取り込むことができます。また、お米に不足している必須アミノ酸を卵が補うこともできます。 しかし、卵に含まれる「コレステロール」「飽和脂肪酸」などの過剰摂取は、体に悪影響を及ぼすため、食べ過ぎにご注意ください。

卵かけごはんの美味しい食べ方

卵かけごはんは、米・卵・醤油の3つの材料で簡単に作れます。しかし、人によって作り方や食べ方が異なります。そこで、今回tsunagu Japanの編集者は、卵かけごはんの一番美味しい食べ方をより詳しく知るため、東京の卵料理専門店「喜三郎農場」に訪問し、お話を伺いました!

店主の高木さんによると、一度に材料を混ぜてよく泡立てる一般的な食べ方よりも、おすすめの食べ方があるそうです。

1. まず醤油を熱々のご飯にかけて混ぜる

2. 別のお茶碗に卵を割り、軽く2〜3回混ぜる(この時、強く泡立てないでください)

3. 溶き卵を、1のご飯の上にのせる(よく混ぜることなく軽く混ぜて、すぐに食べてください)

この作り方で食べれば、醤油の味がしっかり全体に行き渡りながら、卵本来の抜群の風味を感じることもできます。
また、高木さんは醤油以外に塩を振る食べ方も提案してくれました。塩を卵と合わせると、醤油よりもあっさりした味になり、また違う絶妙な相性の料理になりますよ。

ベトナム出身の私は日本に住んで3年になりましたが、卵かけごはんを食べるのは初めてです。以前から、なぜ日本人はこんなにシンプルな料理を好きなのかずっと疑問を抱いていました。しかし、今回食べてみてようやく理解できました。最初の一口を味わった後、私は食べることを止められませんでした。 シンプルですがとても魅力的な味で、意外と生卵の生臭さは全く感じられませんでした。しっかりとしたコシのある米粒と卵の旨味が溶け合い、醤油のコクのある風味が調和していながら、あっさりとした栄養価の高い一品です。塩も入れて食べてみました。どちらも美味しいですが、醤油より、さらにあっさりとした味になるので、塩で食べた方がたくさん食べられると思います。(笑)

喜三郎農場:全国から選定したたくさんの希少な卵が味わえるお店

東京・千石駅にある卵料理専門店「喜三郎農場」で人気の卵かけごはんを食べるだけではなく、店主の高木さんにお店や卵料理について詳しく教えていただき、楽しい時間となりました。

喜三郎農場は、2009年にオープンした東京初の卵料理専門店だそうです。以前は山梨県のレストランで働いていた高木さんは、近くの養鶏場にさまざまな味と色の卵があることに気付きました。そのことに非常に驚き興奮し、さまざまな卵を扱うお店を開くというアイデアが生まれたそうです。

6~8種類の卵と店主おすすめの卵

喜三郎農場の卵は全国各地から厳選されています。卵を選ぶ基準は、一般的なスーパーでは販売されていないさまざまな色の黄身を選定し、産地も重複しないよう各産地に1種類の卵だけが選ばれます。お客さんにたくさんの希少な卵を味わってもらいたいという想いから、個性溢れる卵を厳選しているそうです。これは喜三郎農場の一番魅力的なところだと思います。卵はどれも同じだと思っていたとしても、喜三郎農場に行くと考えが変わるかもしれません。

喜三郎農場で取り扱っている卵は通常12種類あり、そのうち店頭に並ぶのは6種類で、日によって種類が変わることがあります。週末に来店すれば、週末限定の他の特別な卵も味わうことが出来るようです。私たちが訪問した日は、ゆうやけ卵、お米卵、平飼い有精卵(比内地鶏)、ゆずたま、みかん卵、インカの卵、ワイン卵、そして当日限定の夢王の8種類の卵を味わうことができました。

殻の色はほとんど同じで区別が難しいのですが、割ってみると黄身の色の違いがはっきりと見えます。例えば、お米卵は米を与えている鶏卵なので、黄身が白くてあっさりしており食べやすいです。一方、夢王は非常に美しい橙赤色で、濃厚な旨味とコクが強いです。このような味になるのは、よもぎ、海苔、ニンニク、緑茶、パプリカ、唐辛子、桑、梅酢などを混ぜて育てた鶏だからだそうです。鶏の飼料や飼育方法によって、卵の色や味、栄養成分が変わるようです。上記8種類以外にも、アローカナ卵(南米産の鶏の青い卵)、ハーブ卵(黒鶏の卵、甘味があり、お菓子に使うのがおすすめ)、赤がら卵、といった種類も店頭に並ぶことがあります。

その中で高木さんは、お店で一番人気の「ゆうやけ卵」と「ゆずたま」もおすすめしてくれました。ゆうやけ卵は、ビタミンEが普通の卵の約20倍含まれており、こってりとした濃厚な味わいです。黄身が夕焼けのようにオレンジ色をしていることから「夕焼け」と呼ばれています。喜三郎農場の親子丼やプリンにも使われている卵です。もう一つ人気なのは、ゆずの香りがする「ゆずたま」です。非常にレアな卵で、元の生臭さが抑えられているので、初めて卵かけご飯を食べる方におすすめです。個人的には、ゆずたまの独特の味わいが印象に残っています。これはおそらく今まで味わった卵の中で最も特別な卵だと言えます。

「喜三郎農場」の卵かけご飯メニュー

卵の種類が豊富な「喜三郎農場」は、卵かけご飯を味わいたい方にぴったりです。メニューには、「卵かけご飯定食」(卵1個)、卵かけご飯御膳(卵食べ放題)、TKGおおまくれ御膳(卵とご飯食べ放題)の3つの選択肢があります。卵だけでなく、ご飯や醤油などの具材も厳選されています。長野県産のお米が使用されており、粒が硬くてしっかりしているため、卵かけご飯の美味しさを引き立ててくれると高木さんが教えてくれました。また、醤油は卵かけご飯専用のもので、普通の醤油より薄口です。

一般的な醤油や塩のほか、明太子、わさび、しらす、わかめ、玉ねぎなど14種類のトッピングも用意されています。その中で明太子が一番人気だそうです。私も明太子と卵かけご飯を一緒に食べてみました。明太子のピリ辛で塩気のある味と卵のコクがよく合います。

「喜三郎農場」の豊富な卵料理

定番メニューの卵かけご飯以外にも、山梨県北杜市で自然飼育された「甲斐路軍鶏」と「ゆうやけ卵」から作られた「ゆうやけ親子丼」があります。また、「ゆずたま」と鶏肉のタタキに醤油とわさびが添えられた「ゆずたまの生親子丼」は、他店ではなかなか味わえない独特な親子丼です。このように、鶏と卵を使った料理が勢揃いしています。

また、ゆうやけ卵の黄身を使用した自家製プリンも魅力です。 残念ながら、今回は卵を食べすぎて味わえなかったので、次回来るときは必ず試してみます。

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ライター紹介

Nguyen
Nguyen Loan
東京在住のベトナム人です。約2年間日本に滞在しており、これから長く滞在して、新たな土地や人々についての興味深いことを探り続けたいと思っています。Tsunagu Japan上の記事を通じて、私自身の体験をお届けし、人々を日本に近づけたいと思います。
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