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本州の1/3を占める巨大エリア・東北地方はどんなところ?

日本でも屈指の美しい自然と数々の文化遺産が残る東北地方は、まだ多くの観光客に知られていない魅力が溢れるエリアです。本記事では、東北にある6県それぞれの歴史、観光地、季節ごとの気候、東京からのアクセス方法などをご紹介。現地を訪れる前に基礎知識を身につけて、東北旅行を最大限楽しんでください。

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東北はどこにある?

東北地方は、本州最北部に位置し、青森県、岩手県、秋田県、宮城県、山形県、福島県の6県からなります。東西約170km, 南北約410kmの広さがあり、面積は約6万7,000㎢と広大で、日本全国の18%、本州の30%を占めています。

東北地方の中央部を南北に走る奥羽山脈に並行して、多数の山地が連なっています。その奥羽山脈を境に、太平洋側と日本海側でも積雪量や降雨量などに差があり、それぞれの気候は異なります。また、高緯度にあるため本州の他地方より気温は低めで、関東圏以南の地域に比べて夏は冷涼で過ごしやすく、冬になると各地で美しい雪景色が広がります。東北は南北に長く、北と南で気温差が3~4℃あるため、桜や紅葉の見頃が長く続くのも特徴です。

東北地方にはどんな県がある?

青森県

本州の最北端に位置する青森県は、南を除く三方を海に囲まれています。総面積は、9,646㎢で全国8位の広さ。県の中央部には奥羽山脈が縦走し、西側の津軽地方と東側の南部地方では気候、文化、風土が異なります。津軽海峡を隔てて隣接する北海道とは青函トンネルでつながっており、唯一陸路で北海道に渡ることができる県でもあります。日本有数の豪雪地帯として知られており、ウィンタースポーツが盛んです。

観光名所としては、世界自然遺産に登録されている白神山地のほか、十和田湖、奥入瀬渓流など豊かな自然を満喫できるスポットが人気です。

秋田県

東北地方の北西部に位置し、県の西側は日本海に面しています。総面積は、11,638㎢で、全国6位の広さを誇ります。岩手県との県境をなす奥羽山脈や、その西に位置する出羽丘陵など山地が多く、豪雪地帯であるため、「横手のかまくら」が秋田県の冬の風物詩として有名です。

主要な観光名所としては、日本一の深さと高い透明度を誇る田沢湖、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている角館、乳頭温泉などがあります。

岩手県

本州の北東部に位置し、東西約122km、南北約189kmの楕円形をしています。総面積は、15,275㎢で、北海道に次いで、全国第2位の広さを誇ります。県の内陸部はほとんどが山岳丘陵地帯で占められ、県の西側には秋田県との県境となる奥羽山脈があり、東部には北上高地が広がっています。

太平洋に面する延長約708kmの海岸は、多種多彩な地形を有し、美しい景観を楽しめるスポットが点在しています。海岸線沿いに走る三陸鉄道からは美しい海岸線を眺めながらの列車旅が楽しめますよ。そのほか、主要観光スポットとしては、世界文化遺産に登録されている平泉、日本三大鍾乳洞の一つ龍泉洞、民話のふるさとと言われる遠野などがあります。

山形県

東北の南西部に位置する山形県は、山が多く、県土の約75%が山地です。総面積は、9,323㎢であり全国9位の広さで、海・山・川の豊かな自然に恵まれた地域です。有名な俳人である松尾芭蕉が、東北を巡った紀行文「奥の細道」の中で、数々の名句を詠んだ場所でもあります。

主要な観光地としては、芭蕉も絶賛した立石寺、レトロな雰囲気が漂う温泉街として人気が高い銀山温泉、修験道の聖地・出羽三山などがあります。

宮城県

宮城県は東北地方の南東部に位置し、東は太平洋、西は奥羽山脈に面しています。総面積は7,282㎢で全国16位の広さです。県庁所在地である仙台市は、宮城県の全人口のおよそ50%が生活する大規模な都市でありながら「杜の都」と呼ばれるほど豊かな自然に恵まれています。

主要観光地としては、日本三景の一つである松島や、日本有数の温泉郷としても名高い鳴子峡、迫力満点の秋保大滝などダイナミックな自然景観が魅力のスポットがあります。また、仙台城址や瑞鳳殿など、約160年前にこの地方の覇者として名を馳せた戦国武将・伊達政宗ゆかりの場所も多く、歴史好きにも見逃せないエリアです。

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福島県

東北地方の一番南に位置する県。山・海・高原・湖と、豊かな自然に恵まれており、国立公園、国定公園などは県土の約12%に及んでいます。総面積は13,784㎢で全国3位の広さを誇ります。県内は、南北に連なる阿武隈高地と奥羽山脈を境に3つのエリアに分けられ、異なる気候風土の下、それぞれが独自に発展してきました。

主要観光地としては、国内第3位の面積を持つ猪苗代湖や、裏磐梯高原など、美しい自然を満喫できるスポットが多くあげられます。また、江戸時代に栄えた宿場町・大内宿や、福島県のシンボル・鶴ヶ城、白虎隊が自刃した飯盛山など、幕末から明治初期の日本の動乱期の歴史舞台となったスポットも数多く有しています。

背景を知れば観光がもっと楽しくなる!東北の歴史

旧石器時代(約数十万〜10,000年前)の東北地方は、寒冷な気候で、コメツガ、トドマツ、カラマツ、トウヒなどの針葉樹を主体とする森林が広がり、人々は尖頭器やナイフ形石器などを用いて狩猟生活を中心とした生活を営んでいました。

縄文前期から中期にかけて(6,000年〜4,200年前ごろ)になると、東北地方では縄文文化が栄えました。日本最大級の縄文集落跡である青森県の三内丸山遺跡を訪れれば、当時の人々の生活や自然環境について知ることができますよ。

7世紀になり律令制度による中央集権国家が誕生すると、政府は自分たちの支配が及ばない東北地方を蝦夷(えみし)と呼び、武力によって制圧しようとします。7〜8世紀の東北地方は畿内政権による征服戦争と支配の拡大、東北勢力の抵抗の歴史でもあります。

やがて10世紀ごろから各地で地域を統率する豪族が台頭し始め、勢力を拡大していきました。東北でも11世紀後半になると奥州藤原氏が権勢を誇るようになり、その本拠地であった岩手県の平泉には高度な文化が栄えました。2011年に世界文化遺産に登録された平泉を訪れれば、奥州に花開いた黄金文化の素晴らしさについて深く知ることができることでしょう。

15世紀末から16世紀末にかけて東北地方には多くの群雄が割拠していましたが、戦国武将の一人、伊達政宗は急速に勢力を拡大し、東北地方のほぼ半分を勢力下に置き奥州の覇者と呼ばれました。仙台にある青葉城は1601年に政宗によって築城されたもので、その後、約270年に渡り伊達氏代々の居城となった所であり、仙台藩の政庁が置かれた所でもあります。

17世紀からおよそ260年に渡り平和な時代が続いていた江戸時代が終わりを告げ、明治政府が樹立すると、東北地方は新政府軍と旧幕府軍による内戦戊辰戦争の舞台となりました。会津若松のシンボル・鶴ヶ城は戊辰戦争ゆかりのスポットとして人気があります。

東北地方の観光名所にはここで紹介した歴史と関係のあるスポットも多くあります。訪れるスポットの歴史を少しでも学んでおけば、観光がより一層充実したものとなることでしょう。
 

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豊かな自然が織りなす季節の変化が魅力!東北の気候

春(3月〜5月)

北東北はまだ寒さが残り、3月下旬頃まで降雪がみられますが、南部では3月中旬ごろから春の気配を感じるようになります。例年4月初旬~中旬頃に桜の開花が始まり、東北で桜が満開を迎えるのは例年5月初旬です。昼夜の気温差が大きいため、薄手のコートや脱ぎ着できる服装を準備すると良いでしょう。

東北地方最大の都市である仙台の春の平均気温は11℃、平均降水量は101.5mm です。

夏(6月〜8月)

梅雨入り前は過ごしやすい気候で観光に適しています。梅雨の終わりは前線の活動が活発になり、局地的な豪雨に見舞われることもあるので注意が必要ですが、梅雨明け後は、安定した晴天が続きます。日本海側では山地を吹き下ろす風がフェーン現象を引き起こし、非常に高温となることがあります。一方で、太平洋側では、冷たく湿った東寄りの風(ヤマセ)の影響を受けて、沿岸地域を中心に曇りや雨の日が続き、低温となることがあります。朝晩は冷え込むので、上に羽織るものやショールなどを準備しておくと安心ですよ。

仙台の夏の平均気温は23℃、平均降水量は171.2mm です。

秋(9月〜11月)

残暑が過ぎると、秋雨前線が東北地方を南下します。北上する台風の影響を受けることも多いので注意が必要です。9月は、太平洋側の降水量が最も多くなる月ですが、10月に入ると、大陸の高気圧が発達し、その一部が移動性高気圧となって東北地方を覆い爽やかな晴天が続きます。例年、10月中旬から11月初旬にかけて紅葉が見頃を迎え、11月になると雪がちらつくようになります。

仙台の秋の平均気温は16.3℃、平均降水量は87.1mm です。

冬(12月〜2月)

日本海側は、日照時間が少なく雪の降る日が多いのが特徴。雪雲は山地にぶつかって上昇し、山沿いに大量の雪を降らせますが、冬型の気圧配置が強まると平地でも大雪となります。一方、太平洋側では季節風の影響で、沿岸地域や平野部を中心に乾いた晴天となることが多いです。強い寒気に覆われると雪が降ることもありますが、東北地方南部の太平洋沿岸で長期間積雪が続くことはまれです。

仙台の冬の平均気温は4.1℃、平均降水量は55.8mm です。

※仙台の平均気温、平均降水量:気象庁(2020年数値)より

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東京からのアクセス

東北地方の各県には全国の空港から飛行機が飛んでおり、空路でのアクセスは容易です。ただし、現在は新型コロナウイルスの影響で飛行機の便数が通常より少なくなっていることがあるので、フライト情報については事前にしっかり確認しておくと安心です。

また、場所によっては飛行機での移動よりも新幹線での移動が便利。飛行機に比べて天候の影響を受けにくい新幹線であれば安心で、JAPAN RAIL PASSを利用すればお得に現地へ行くこともできますよ。

青森県までのアクセス方法

羽田空港から青森空港には1日6便が就航しています。羽田空港からのフライト時間は約1時間25分、運賃は8,600〜38,190円程度。早割タイプの運賃を利用すれば、費用を抑えることができます。しかし、早割タイプの運賃には予約期限があり、キャンセルには取消手数料が必要であるなどいくつか条件があるので利用の際はご注意を。

また、東京駅から新青森駅までは東北新幹線で2時間〜3時間20分程度。運賃は17,470円程度。通常の乗車券は割高になりますが、お得な割引切符を利用すれば、ある程度価格を抑えることができます。

秋田県までのアクセス方法

羽田空港から秋田空港には1日9便が就航しています。羽田空港からのフライト時間は約1時間10分、運賃は8,090〜35,890円程度。普通運賃は割高だが、早割タイプの運賃を利用すれば、費用を抑えることがができますが、こちらも早割タイプの運賃には予約期限があり、キャンセルには取消手数料が必要であるなどいくつか条件があるので利用の際はご注意を。

また、東京駅から秋田駅までは東北新幹線で3時間40分〜3時間50分程度。運賃は17,780円程度。通常の乗車券は割高になりますが、お得な割引切符を利用すれば、ある程度価格を抑えることができます。

岩手県までのアクセス方法

現在、東京から岩手への直行便は設定されていないので、新幹線や在来線、高速バス等で移動することになります。

東京駅から盛岡駅までは東北新幹線で2時間20分〜3時間15分程度。運賃は、14,810円程度。通常の乗車券は割高になりますが、お得な割引切符を利用すればある程度価格を抑えることができます。

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山形県までのアクセス方法

羽田空港から山形空港には1日2便が就航しています。羽田空港からのフライト時間は約1時間5分、運賃は6,700〜22,690円程度です。普通運賃は割高だが、早割タイプの運賃を利用すれば、費用を抑えることができますが、早割タイプの運賃には予約期限があり、キャンセルには取消手数料が必要であるなどいくつか条件があるので利用の際はご注意を。

東京駅から山形駅までは東北新幹線で2時間30分〜2時間50分程度。運賃は、10,640円程度。通常の乗車券は割高になりますが、お得な割引切符を利用すればある程度価格を抑えることができます。

宮城県までのアクセス方法

以前は、羽田空港から仙台空港には定期便が就航していましたが、現在は運行していません。そのため、東京から仙台に行くためには新幹線や在来線、高速バスを利用する必要があります。

東京駅から仙台駅までは、東北新幹線で1時間35分から2時間15分ほど。運賃は11,210円程度。通常の乗車券は割高になりますが、お得な割引切符を利用すれば、ある程度価格を抑えることができます。ただし、チケットによって乗車できる新幹線が異なるので予約の際には注意が必要です。

福島県までのアクセス方法

現在、東京から福島への直行便は設定されていないので、新幹線や在来線、高速バス等で移動することになります。

東京駅から福島駅までは、東北新幹線で約1時間35分。運賃は8,580円程度。通常の乗車券は割高になりますが、お得な割引切符を利用すればある程度価格を抑えることができますよ。

まとめ

本州のおよそ3割を占める東北地方には、青森県「白神山地」、岩手県「平泉」の2つの世界遺産をはじめ、美しい自然を満喫できるスポットや歴史や伝統を感じさせる文化財、情緒あふれる温泉街など、さまざまな見所があります。ぜひ東北地方を訪れてそれらの魅力を堪能してください!

この記事に掲載されている情報は、公開時点のものです。

ライター紹介

okada
okada
東京都出身。趣味は美術館巡りと読書。さまざまな国の歴史や文化に興味があります。歴史から学ぶことの大切さを痛感し、日本史、世界史再勉強中。
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