中国地方で個性あふれる歴史的建築物をめぐる旅をしよう!

本州の西端に位置する中国地方は、古来より都が置かれた京都、中国大陸や朝鮮半島と交流があり、外交の窓口として機能していた太宰府がある九州地方を結ぶ交通の要衝としても栄えていました。そんな中国地方には、歴史を感じさせる伝統的な建築物がたくさんあります。今回は中国地方を代表する珠玉の建築物をご紹介します。

中国

観光

歴史的建造物が多く残る中国地方

本州の西端部に位置する中国地方は、山口、広島、岡山、鳥取、島根の5県で構成されています。中国地方には、世界文化遺産に登録されている厳島神社をはじめ、最盛期の近世城郭建築を代表する国宝・松江城、日本三名園の一つでもある岡山後楽園など、日本の歴史や文化と合わせて絶景も満喫できる魅力的なスポットが目白押しです。

今回は、そんな中国地方でぜひ訪れていただきたい、歴史的建造物や伝統的な街並みをご紹介します。個性あふれる建築物を眺めながら日本の歴史や文化に触れてみませんか?

ノスタルジックな街並みが魅力の倉敷美観地区 (岡山県)

岡山県倉敷市にある倉敷美観地区は、倉敷川沿いに柳並木や白壁の屋敷が立ち並ぶ街並みが魅力の人気観光スポットです。

かつて倉敷は、江戸幕府の直轄領「天領」であり、物資輸送の集積地として繁栄したエリアです。今でも街の至る所で天領時代の倉敷の面影を感じることができ、街を散策しているだけで江戸時代にタイムスリップしたような気分を味わうことができます。

中でもおすすめなのが、本町・東町エリア。ここはかつて倉敷の中心部と東の早島を結ぶ街道筋として商人が行き交ったエリアで、昔ながらの格子の窓や白壁の建物が軒を連ねています。江戸時代の土蔵や町家を改装したカフェやギャラリー、居酒屋などが点在しているので、散策しながらショッピングやグルメも楽しめますよ。

江戸の面影を今に伝える大名庭園!​​岡山後楽園 (岡山県)

岡山後楽園は、今からおよそ300年前、岡山藩2代目藩主の池田綱政が自らのやすらぎの場として造らせた庭園で、金沢の兼六園、水戸の偕楽園と共に、日本三名園のひとつに数えられています。江戸時代を代表する大名庭園で、広大な庭園内に配置された池や築山や芝生地が園路や水路で結ばれており、散策しながら美しい風景を眺められるよう工夫された池泉回遊式庭園です。

江戸時代からほぼ変わらない美しい景観は息を呑むほどで、その美しさは世界的に有名な観光ガイドブックで三つ星を獲得するほどです。

年間を通して茶つみや月見など様々な行事が行われているほか、期間限定で開催される夜間特別開園「幻想庭園」では、美しくライトアップされた庭園の幻想的な光景を楽しむことができます。

海中に浮かぶ朱塗の大鳥居が神秘的!厳島神社 (広島県)

1996年に世界文化遺産に登録された厳島神社は、年間を通じて国の内外から多くの観光客が訪れる人気の観光スポットです。厳島神社が創建されたのは593年と言われています。厳島神社がある宮島は、島自体が信仰対象であったため、ご神体に傷をつけないように海上に社殿が建てられたのだそうです。

厳島神社の社殿が現在のような美しい海上社殿となったのは、12世紀後半のことです。時の権力者であり、厳島神社を崇敬していた平清盛の援助によって造営されたと言われています。

穏やかな瀬戸内海に浮かぶ朱塗りの大鳥居と美しい社殿、背後に広がる弥山原始林の鮮やかな緑が織りなす景観は目を見張るほどの美しさで、宮城県の松島、京都府の天橋立とともに「日本三景」の一つとして知られています。

江戸時代にタイムスリップ?!​​​​御手洗町並み保存地区 (広島県)

広島県呉市にある御手洗町並み保存地区は、17世紀の中頃に形成された港町。御手洗には、江戸時代に栄えた茶屋や、大小の商家、船宿などの歴史的建造物が点在し、今もなお江戸時代の面影が色濃く残っています。

立派な石垣のお寺や板塀と白壁の家などを眺めながらそぞろ歩きを楽しめば、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような気分を味わえますよ。

街中には、2,100年以上の歴史を誇る「宇津神社」や、1937年に建てられたレトロな劇場「乙女座」など見どころも盛りだくさん!町内最高峰449mの一峰寺山山頂にある展望台からは、本州から四国にかけて青く澄みきった穏やかな海と、海上に浮かぶ瀬戸内の多島美を堪能できます。

フォトジェニックなスポット多くある御手洗は、CMや映画のロケ地としても人気。最近は、2022年にアカデミー賞国際長編映画賞を受賞した「ドライブ・マイ・カー」のロケ地となったことでも話題となりました。映画のシーンを思い出しながら散策を楽しむのもおすすめです。

山口県が誇る国宝建築!瑠璃光寺五重塔 (山口県)

山口市の香山公園内に佇む瑠璃光寺五重塔は、1442年に建立されたもので、日本国内に現存する80以上の五重塔の中で10番目の古さを誇ります。高さ約31mの五重塔は、緩やかな屋根の勾配と四方の軒が大きく反りあがる優美な姿が特徴で、京都の醍醐寺、奈良県の法隆寺とともに日本三名塔の1つに数えられています。室町時代中期の建築物の中でも最も優れた建造物とされ、国宝にも指定されています。

香山公園は、桜や梅の名所としても知られ、四季折々に趣の異なる五重塔の姿を楽しむことができます。
毎日日没後に行われるライトアップも見逃せません!ライトアップされた五重塔が池に映り込む様子はなんとも幻想的で溜息が出るほどの美しさですよ。

5連のアーチが美しい!山口が誇る名勝、錦帯橋 (山口県)

山口県岩国市にある錦帯橋は、日本でも有数の美しさを誇る5連のアーチの木造橋で、日本三名橋の一つに数えられています。錦帯橋は、1673年に岩国を治めていた吉川広嘉によって建造されました。橋の長さは193.3m、幅5m、アーチ部分の最高点は川床から13mもあります。

 

錦帯橋は、世界的にも珍しい5連構造で、独自に発展した架橋技術は 現代も極めて高く評価されています。木を組み合わせることで上から圧がかかるほど強度が増す仕組みになっていて、1つのアーチでなんと60tの重さに耐えられるほど頑丈!橋の下からは整然と並んだ美しい木組みの構造を見ることができるのでぜひ橋の下から錦帯橋を見上げてみてくださいね。

錦帯橋では、春は桜、夏は深緑、秋は紅葉など、四季の風景やライトアップも楽しめますよ。

日本一危険な国宝鑑賞?!三徳山三佛寺投入堂 (鳥取県)

鳥取県のほぼ中央に位置する三徳山は、古くから山岳信仰の霊場として栄えた場所です。その三徳山の険しい自然の中に佇む三佛寺は、706年に修験道の開祖とされる役小角によって開かれたと言われています。山全体が境内となっていて、山の麓にある本堂から奥の院に至るまで、多数の堂が建てられています。

三佛寺の1番の見どころといえば、奥の院である「投入堂」!切り立った断崖絶壁にできた天然のくぼみに建てられたお堂です。詳しい建築年代は不明ですが、伝承によると、役小角が麓で造ったお堂を法力で絶壁の岩窟に投げ入れたと言われています。他に類をみない珍しい建築物は国宝に指定されています。

投入堂に至るには厳しい山道を辿っていかなければならないため、「日本一危険な国宝鑑賞」とも称されることがありますが、麓にある投入堂遙拝所からも遠望することが可能です。

一生に一度は訪れたい!日本屈指のパワースポット・出雲大社 (島根県)

日本神話の故郷と言われる出雲を象徴する出雲大社は、その創建の歴史が日本最古の歴史書とされる「古事記」に記されるほどの長い歴史を誇る神社です。縁結びの神様として有名な大国主命をお祀りしており、年間200万人もの参拝客が訪れる人気のスポットになっています。

現在の本殿は1744年に造営されたもので、大社造と呼ばれる日本最古の神社建築様式で造られています。高さは24mで、木造の本殿建築としては国内最大規模を誇り、国宝に指定されています。

また、拝殿に飾られた国内最大級の大注連縄も見逃せません!1年以上の歳月をかけ、延べ1,000人の町民の手によって作られる大しめ縄は全長13.6m、重量5.2tにも及びます。

出雲大社はその独特な参拝方法にも特徴があります。通常神社ではお参りの際に「2礼2拍手1礼」をしますが、出雲大社では「2礼4拍手1礼」でお参りするのが正式なので、間違えないようにしましょう!

威風堂々とした力強さが魅力!松江城 (島根県)

松江市のシンボルである松江城は、1611年に築城されました。松江城天守閣は築城以来、一度も焼失したり、立て替えられることなく現代までその姿を保っており、全国に12城しか残っていない現存天守の1つに数えられています。2015年には、最盛期の近世城郭建築を代表する天守として国宝に指定されました。

松江城の天守閣は、鳥が羽を広げたような形に見えることから「千鳥城」とも呼ばれています。屋根に飾られているのは木造銅張りの鯱鉾(頭は龍または虎、胴体は魚の想像上の動物で、城などの屋根の装飾)。高さ約2mで日本に現存する木造のものとしては最大です。

天守の最上階には360度の展望が広がり、松江市街地や宍道湖などを見渡すことができます。

松江城の周囲は松江城山公園として整備されていて、梅や桜、椿など季節ごとに変化する自然が楽しめます。散歩道が設けてあるので、のんびり散策を楽しむこともできますよ。

まとめ

いかがでしたか?中国地方には、まだまだ紹介しきれないくらいたくさんの魅力的な歴史的建造物があります。ぜひ中国地方を訪れて日本の歴史や文化に触れてみてくださいね。

この記事に掲載されている情報は、公開時点のものです。

ライター紹介

okada
okada