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【日本庭園】侘び寂びの美意識を感じる!「枯山水」の魅力・楽しみ方

枯山水の庭園に興味はあるけど、その様式や鑑賞ポイントがよくわからない、という方も多いのではないでしょうか。そこで、今回は枯山水の特徴と基礎知識をわかりやすくご紹介。魅力や鑑賞の仕方もお教えします。

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枯山水とは

「枯山水」は日本庭園の様式のひとつ。水を使わず、石や砂、草木だけで山水の景色を表現しています。草木を用いず、石や砂のみを使った「石庭」も、枯山水の一種。いずれも、無駄を削ぎ落とし、静かに工夫を凝らすことに美しさを見いだす、「侘び・寂び」の精神が息づいています。
その歴史は、11世紀にまで遡ります。当時は庭園の一部に用いられていましたが、禅の思想が好まれた14世紀頃には独立した庭園として造られるように。現在でも、禅宗(※)の寺院などで見ることができます。

※座禅などの修行によって悟りを開くことを目的とした仏教の宗派





枯山水庭園を楽しむための基礎知識

石や砂の配置や組み合わせで表現される観念的な世界

「無のなかに何かを発見すること」を本質とする枯山水は、空間の意味を自問自答しながら眺めて過ごすように造られたもの。一見、石や砂が置かれているだけの庭園ですが、その配置や組み合わせには意味が込められており、観念的な世界が表現されています。そこには、山々や渓谷、大海とそこに浮かぶ島々など、さまざまな自然の風景のほか、仏教的な世界観や宇宙観をも見いだすことができます。
室内から鑑賞するように造られているので、訪れた際は座って静かに眺めるのがベスト。瞑想や座禅の場でもあるので、静寂の中、自分と向き合うひとときを過ごすのもおすすめです。





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石や砂は何を表しているのか

高い精神性と抽象性によって表現された枯山水は、見る人によってさまざまな解釈が生まれるところも魅力。「見立て(※)」のパターンを知っておくとより深く鑑賞することができますよ。
たとえば、白砂の砂紋(日本庭園の敷砂の上に熊手状の器具で描いた模様)を使って表現する水の流れや水面の表情。川なのか海なのか、荒波かさざ波かといった違いを、紋様の施し方を変えることによって表しています。
仙人や仏が住むといわれる深山幽谷(人里離れた奥深い山や谷)に見立てた石組も、庭園を構成する重要な要素。白砂に船形の石を配して深山幽谷へ向かう船を表すこともあります。また、石組を滝に見立てる場合には、縦縞模様の石を配することによって流れ落ちる水を表現したり、角が取れた丸い石を敷き詰めることで滝の下で渦巻く水を表現したりもします。

※石や砂などを自然の風景になぞらえて表現すること





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実際に庭を鑑賞してみよう

龍安寺 方丈庭園(京都)

世界的に有名な枯山水の庭園といえば「龍安寺」の「方丈庭園」。世界文化遺産に登録されている石庭で、英国のエリザベス女王も絶賛したといわれています。静謐な空気が感じられる空間は、幅約25m、奥行約10mの長方形。そこに敷き詰められた白砂に大小15個の石が配されています。謎の多い庭園で、作者や作庭の意図、石の配置の意味なども不明。どの角度から見ても、どこか1つの石が必ず隠れてしまうことで知られているので、ぜひ実際に訪れて確かめてみてくださいね。

拝観料:一般・高校生500円、小・中学生300円





大徳寺 瑞峯院(京都)

1535年に戦国大名・大友宗麟(おおともそうりん)により創建された「大徳寺」の塔頭(たっちゅう:本寺の境内にある小寺)「瑞峯院」には、2つの枯山水庭園があります。いずれも1961年に作庭家・重森三玲(しげもりみれい)が開祖・徹岫宗九(てっしゅうそうきゅう)の400年遠忌(おんき、没後)を記念して設計したもので、禅を表現した南庭「独坐庭」と晩年にキリシタンとなった宗麟にちなんだ北庭「閑眠庭」。南庭は荒波を表現したダイナミックな白砂に注目。蓬莱山がそびえ立つ半島に、波が絶え間なく打ち寄せるさまを表しています。これに対して北庭は、静寂を感じさせる直線的な砂紋。石組が十字になっているため、「十字架の庭」とも呼ばれています。

拝観料:一般400円、小・中学生300円





いかがでしたか?この記事を参考に理解を深めれば、より枯山水を楽しめるはず。今回ご紹介したお寺のほかにも、枯山水庭園のあるスポットはたくさんあるので、ぜひ訪れてみてくださいね。



この記事に掲載されている情報は、公開時点のものです。

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