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訪れる前に知っておきたい!豪雪地域「北陸」の冬を過ごすための知恵

富山・石川・福井の3県からなる北陸地方は、日本海に面した地理的特性から日本屈指の豪雪地域となっています。厳しい冬を乗り越えるために受け継がれてきた、昔ながらの暮らしの知恵をご紹介します。

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なぜ北陸は豪雪なの?

日本で雪が積もる地域は、国土面積の約6割。主に北陸や東北、北海道、山陰地方などの日本海側です。なかでも北陸は圧倒的に量が多いことで知られています。
日本海側に雪が降りやすいのは、冬になると強くなる北西の季節風の影響。日本海海上で水分を蓄え、本州の真ん中を走る山脈にぶつかることで上昇しながら雲をつくり、雪を降らせます。とくに北陸は同じ積雪地帯の北海道や東北に比べ中国大陸から離れているため、風が海上をわたる距離が長く、暖流の影響も強いため多くの水蒸気を受けます。そのことから、北陸は日本随一の豪雪地帯となっています。





冬を乗り越えるための知恵

1. 合掌造り

「合掌造り」とは、手のひらを合わせたような、急勾配の山形に組まれた茅葺屋根が特徴の住居のこと。多い時には積雪3mにもなる豪雪地帯、富山・五箇山にその集落が見られます。少しでも雪が屋根から落ちるよう、また雪下ろしが楽にできるように考えられた屋根の傾斜角度は40〜60度。雪の重みに建物が押しつぶされてしまわないよう工夫されています。家の中には必ず囲炉裏があるのも特徴。寒い時期に暖をとれるのはもちろんのこと、煙に防腐・防虫効果があり、住居に使われている茅や縄が長持ちするという利点もあります。





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2. 切妻造り

「切妻造り」は本を開いて伏せたような、2つの傾斜面で構成された屋根の形式のこと。合掌造りにも取り入れられている様式です。傾斜角度を大きくすることで、屋根に積もる雪の量を抑えることが可能。軒先があるのは2方向のみなので、雪が屋根から落ちる位置を限定することができるという点で、豪雪地帯に適した形式だといえます。





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3. 雪吊り

石川・金沢の冬の風物詩ともいわれる「雪吊り」。北陸特有のもので、樹木に支柱を立てたり、縄で枝を吊ったりして、重い雪から木の枝を守ります。一般家庭でも広く行われますが、有名なのは観光名所としても人気のある庭園「兼六園」のもの。毎年11月1日から12月中旬にかけて、名木「唐崎松」をはじめ合計814ヶ所に雪吊りが施されます。





4. スノーダンプ

豪雪地域の日常に欠かせないのが「スノーダンプ」。日本では最もポピュラーな除雪のための道具です。スコップの何倍もの大きさがあり、大量の雪を運ぶのに最適。手押しの取っ手がついているので、そりのように押して使用することができます。





5. 雪下野菜

雪国の人は、冬の間の貴重な食糧を保存するためにさまざまな工夫をしてきました。そのひとつが「雪下野菜」。それは、土の中に埋め、雪をかぶせて越冬させた野菜のこと。適度な水分があり温度が一定に保たれる雪の下で、みずみずしさをキープしながら保存することができます。また野菜には、凍りやすい水分などを糖分などに変化させ寒さをしのぐ性質も。そのため凝縮された甘さが感じられるのも雪下野菜の特徴なんですよ。





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6. 雪遊び

雪の多さをいかした冬の遊びもたくさんあります。代表的なものが「雪合戦」。2チームに分かれ、こぶし大に丸めた雪を投げ合うゲームです。古くから親しまれているものですが、現在は国際スポーツにも発展しているんですよ。また、固めた雪をくりぬいてつくる雪室「かまくら」も、豪雪地域ならでは。本来は東北・秋田で行われる神様を祀る行事ですが、雪国の冬の遊びとしても親しまれています。かまくらづくりや内部に明かりを灯して幻想的な景色を楽しむイベントが開催されることもあるんですよ。





いかがでしたか?冬に北陸地方を訪れる際には、街のあちらこちらで見られる暮らしの知恵にも注目してみてくださいね。



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