村上春樹原作!映画『ドライブ・マイ・カー』のロケ地となった広島県のスポット紹介

映画『ドライブ・マイ・カー』。第94回アカデミー賞で「国際長編映画賞」を受賞したこの映画の監督・脚本を手がけたのは世界的注目を集める新進気鋭の濱口竜介監督。この記事では、ロケ地となった広島県の各スポットをご紹介!映画のシーンを思い出しながら広島の各スポットをドライブすれば、ガイドブックには載っていない同地の魅力を見つけることができるかもしれません。

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第94回アカデミー賞「国際長編映画賞」受賞!映画『ドライブ・マイ・カー』とは

映画『ドライブ・マイ・カー』は、作家・村上春樹による短編小説集『女のいない男たち』に収録されている同名の短編小説が原作。この小説に惚れ込んで映画化を熱望したのが、いま世界的に注目を集めている濱口竜介監督です。濱口監督はこれまで、カンヌ(『寝ても覚めても』コンペティション部門出品)、ベルリン(『偶然と想像』銀熊賞受賞)、ヴェネチア(共同脚本作『スパイの妻』銀獅子賞受賞)など世界三大映画祭を席巻し一躍有名になり、『ドライブ・マイ・カー』では脚本も手がけています。

映画化では原作を主軸にしながら、同短編小説集に収録されている他のエピソードも投影、チェーホフの戯曲『ワーニャ伯父さん』などを織り交ぜることで登場人物を掘り下げ、約3時間にわたる見応えのある物語に仕上がっています。この映画は、2021年・第74回カンヌ国際映画祭で日本映画として初となる脚本賞を受賞、先日発表された第94回アカデミー賞では「国際長編映画賞」も受賞という快挙を成し遂げ、いま最も注目されている日本映画だと言えます。

あらすじ

舞台俳優で演出家の家福祐介は、脚本家の妻・音と幸せに暮らしていた。しかし、妻はある秘密を残したまま他界してしまう。2年後、喪失感を抱えながら生きていた彼は、演劇祭で演出を担当することになり、愛車のサーブで広島へ向かう。そこで出会った寡黙な専属ドライバーのみさきと過ごす中で、家福はそれまで目を背けていたあることに気づかされていく。

DRIVE MY CAR - Trailer(英語)

当初の予定は韓国だった!メインロケ地に広島県が選ばれた理由

原作の舞台は東京。しかし東京では満足できるドライブシーンが撮影できないと、当初撮影の大部分は韓国・釜山でのロケが予定されていました。そんな中、新型コロナの感染拡大により、釜山での撮影は断念せざるを得ず、メインのロケ地として浮上したのが広島県。
「妻を亡くした主人公が再生していく」という映画のコンセプトと「原爆という傷から復興した広島」という物語がぴったりだったとの理由もあり、広島が正式にメインロケ地に選ばれたそうです。

ロケ地を巡ろう!映画に登場する広島県の各スポット

舞台オーディションと稽古場所「広島国際会議場」

家福が演出を手掛ける広島国際演劇祭の会場として登場する施設。広島平和記念公園敷地内に位置するこちらの施設は、国立代々木競技場、東京都庁舎など数多くの国家プロジェクトを手掛けた丹下健三が1955年に設計した「広島市公会堂」を、1989年に建て替えたものです。映画では、地下駐車場へ向かう円形のアプローチも映し出されています。

舞台の出演者が野外稽古をする「平和記念公園」

広島国際演劇祭に出演する役者たちが稽古をする場面で登場。カーブを描いたベンチを観客席に見立てて野外稽古が行われ、出身国が違う言葉が通じない2人の俳優の演技が映し出される印象的なシーンで登場する場所です。

ドライバーみさきのおすすめ場所「広島市環境局中工場」

ドライバーみさきがお気に入りの場所として家福を案内する実在のごみ処理施設。広島市内から伸びる吉島通りの終点で、瀬戸内海に面した場所に位置しています。建物の2階に設けられたエコリアム (Ecology + Atrium = Ecorium)と呼ばれる貫通道路は、広島平和記念公園からつづく軸線を妨げないように吹き抜けのある通路になっており、広島平和記念公園から瀬戸内海までを遮ることなく繋いでいます。設計は、ニューヨーク近代美術館の新館やGINZA SIXなどを手掛けてきた建築家・谷口吉生。

稽古場から家福が泊まる宿までのドライブルート「安芸灘大橋」

安芸灘大橋(有料道路)は、広島県呉市の南東に位置する下蒲刈島から愛媛県今治市の岡村島を7つの橋で結ぶ「安芸灘とびしま海道」の最も本土側に位置しています。安芸灘とびしま海道は、島々が庭園を渡る「飛び石」をイメージさせる連絡架橋ルートで、海と島々による風光明媚な景色を楽しむことができます。

家福の広島滞在中の拠点となる「呉市・御手洗町並み保存地区」

家福が広島滞在中に宿泊する場所として登場する、瀬戸内海に浮かぶ大崎下島の港町。江戸時代から天然の良港として栄え、明治〜昭和初期にかけて多くの建造物が建てられました。大波止、石橋、高燈籠、石垣護岸、雁木など、港町の生活に必要な土木的建造物が当時のまま現存しているものもあり、1994年に重要伝統的建造物群保存地区として指定されました。
なお、家福の宿泊場所としては、この地区にある「閑月庵新豊」という実在の宿(一日一組限定)が使用されています。

家福の舞台が公演される「東広島芸術文化ホールくらら」

家福が演出する舞台の公演会場として登場。こちらの施設は、芸術文化鑑賞、芸術文化創造活動などの文化芸術の拠点として、また市民のサークル活動などが行われる生涯学習機能も併せ持つ施設として2016年に開館。撮影の舞台となったホールがある市中心部・西条地区では良質な水を生かした日本酒造りがさかんで、「酒蔵の街で音楽を楽しむ」という意味の造語「蔵楽」やイタリア語で心遣いを意味する「cura(クーラ)」といった言葉が施設名の由来となっています。

この地図は、広島を舞台とした映画やドラマなどのロケーションを応援する団体「広島フィルム・コミッション」が公開しているデジタルロケ地マップです。この記事で紹介したスポット以外にも載っていますので、広島旅行の時にぜひご活用ください。

この記事に掲載されている情報は、公開時点のものです。

ライター紹介

Chisa
Chisa Nishimura