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永福町 〜京王井の頭線沿線の閑静な住宅街で日本文化を味わう

渋谷、下北沢、吉祥寺といった人気観光地を結ぶ、小さいながら便利な京王井の頭線。そのちょうど中間あたりに、都心の喧騒とはかけ離れた愛すべき町があります。今回のtsuangu Japan特集企画Area of Japanシリーズでは、京王井の頭線の閑静な住宅街「永福町」を訪ねてきました。穴場スポットで日本文化を楽しみながら、のどかな街の雰囲気を味わってみましょう。

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渋谷からもほど近い、閑静な住宅街「永福町」でレトロな日本の雰囲気を味わう

京王井の頭線の永福町駅を降り、改札を抜けると、駅前に小さな広場があります。駅周辺にはカフェなどの低層ビルが立ち並び、まるでレトロな日本映画のような風景が広がっています。 永福町は、渋谷、下北沢、吉祥寺などの人気の街から意外と近い距離にありながら、日本の日常生活を垣間見ることができる魅力的な雰囲気が漂っています。

大きな観光地とは違い、地元の学生や会社員、家族連れが周囲の店に出入りし、日々を過ごしています。慌ただしい都会のペースから切り離されたように感じられるのが新鮮で、私たちは、色あせた日よけやレトロな店の看板を眺めながら、その日の目的地へ向かってゆっくりと歩みを進めました。

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伝統的なおいしい和菓子を新たなアプローチで味わう「まるさんかじつ」

線路の音を聞きながら永福町駅から少し歩き、細い路地に入ると、パステルカラーの外観に、魅力的なお菓子メニューの写真が飾られた「まるさんかじつ」がありました。

創業200年の老舗和菓子店が手がける「まるさんかじつ」は、わらびでんぷんを原料とした和菓子「わらび餅」の専門店です。わらび餅は、平安時代(794年~1185年)には皇族が好んで食べていたとされるほど、古くから日本で愛されてきたお菓子です。

わらび餅といえば、日本の伝統的な食材であるきな粉をかけたものが一般的ですが、こちらの店内では温かみのある木のカウンターに可愛らしいわらび餅が並べられ、様々な果物や栗など日本の伝統的な味を楽しめる種類がありました。

「まるさんかじつ」のわらび餅には、餡と合わせて旬の果物が入っています。どれも農家と直接契約して仕入れた新鮮で美味しい果物ばかりです。数ある美味しそうなメニューの中から迷ったのですが、この日はふっくらしたいちごと、沖縄県西表島から取り寄せたという珍しい「ピーチパイン」に目が行きました。わらび餅は少しモチモチとした食感で、ほのかな風味があります。餡の甘さと果実のジューシーさが引き立ち、手のひらサイズでペロリと食べられます。

「まるさんかじつ」では、わらび餅を使ったドリンクも販売しています。春の日差しの中、冷たい飲み物が欲しかった私たちは「わらびもち抹茶ラテ」と「氷結かじつのわらびもちソーダ」のどちらを飲もうかと迷いました。話し合っている私たちに気づいた店員さんが「夏の暑い時期にはソーダが人気ですよ」と教えてくれたので、さっそくわらび餅の注文にソーダを追加しました。季節のフレッシュフルーツと冷凍フルーツを贅沢に使用した爽やかなソーダに、中に入っているわらび餅はタピオカのような感覚でモチモチとした食感が楽しめます。

厳かで静謐な雰囲気に包まれる神社「大宮八幡宮」

駅からさらに歩いていくと、新緑の中に鮮やかなコントラストをなす大宮八幡宮の厳かな赤い一の鳥居が見えてきました。高さ8メートルもある鳥居は、神秘的な存在感を放ち、静謐な境内へと私たちを招き入れます。

1063年に創建された大宮八幡宮は、東京23区内で3番目に大きな神社です。豊かな緑に包まれ、穏やかな雰囲気に包まれています。特に安産のご利益が有名な神社のため家族連れも多く、安産や子育て、交通安全などのお守りが売られています。

竹林の間から差し込む光や、茶室など周囲の伝統的な建物に気を取られながら、私達はゆっくりと参道を歩きました。最後に神門をくぐり、本殿の荘厳さを堪能しました。

本殿は、金色に輝く装飾が施されていますが、自然な木造の外観のため、木々に囲まれた背景と違和感なく溶け込み、都心とは思えないような特別な空間となっています。足元の砂利の音、風にそよぐ木の葉、参拝者が鳴らす鈴の音など、境内に響くすべての音を心地よく耳にすることができました。

広大な境内は見どころが多く、隅々まで探索すると時間が経つのを忘れてしまうほどでした。また、敷地内に結ばれた絵馬やおみくじが風に揺られ、神秘的な雰囲気を漂わせていました。境内の小さな神社の前に立つ鳥居など、随所に魅力的な光景があり、この場所にいる間、しばらく日常の喧騒から離れることができました。

*写真は大宮八幡宮の許可を得て撮影しています。通常、神門内での無断撮影は禁止されています。

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日本の夏の風物詩、かき氷を贅沢に味わう「有馬屋氷店」

閑静な住宅街にひっそりと佇む「有馬屋氷店」。かき氷店を表す「氷」の旗が塀の上に掲げられ、お店がそこにあることがわかりました。有馬屋では、プリンなどのスイーツやカレーなどの軽食を年間を通じて提供しながら、5月からの数か月間(10月まで続くこともあります)、フルーツや抹茶などの高級食材を使ったきめ細かいかき氷メニューも出しています。

日本の夏の風物詩であるかき氷は、平安時代にまでさかのぼることができるほど、日本の文化に深く根付いています。現在では暑い夏の時期が近づいてくると、お祭りの屋台やレストランなどで色鮮やかな氷を楽しむ光景が見られます。

永福町を散策してたっぷりと日差しを浴びた私たちは、氷のスイーツで涼むのを楽しみにしていました。建物の横の細い路地を入ると、そこには緑に囲まれた日本家屋があり、落ち着いた庭が広がっていました。

有馬屋氷店の店内は席数が限られております(全席予約制)。私たちは和やかな雰囲気を満喫しながら、自分だけの小さな世界に浸ることができました。こちらには驚くほどクオリティが高いスイーツと心安らぐ庭園の眺めを求めて訪れる人達が多く、私たちも窓際の席に着いた瞬間、この場から離れたくないという思いに駆られました。

フルーツからきな粉など日本の伝統的な味まで、さまざまなフレーバーのかき氷がある中で、私たちはゴールデンキウイと宇治抹茶のかき氷を選びました。一口目から、かき氷の味と食感に圧倒されました。細かく削られた氷はなめらかで、舌にのせるとすぐに溶けてしまいます。そして、贅沢な味わいが口いっぱいに広がります。有馬屋氷店のメニューは、季節ごとに旬の果物や上質な食材を使用するなど工夫が凝らされ、店主のこだわりがぎゅっと詰まっているのです。

有馬屋氷店の甘美なトッピングと、一般的なかき氷シロップとの間には当然のことながら明らかな違いがあります。ゴールデンキウイの自然な甘さとほのかな酸味、そして宇治抹茶の爽やかな風味が、添えられた餡や餅玉と絶妙にマッチしているのです。かき氷の一口一口を味わいながら、庭を眺め、時折草木のそよぐ音に包まれながら幸せな時間を過ごせました。次回は、他のメニューも試してみようと思っています!

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永福町で日本の伝統を伝える隠れた名所を見つける

渋谷などの繁華街からほど近い場所にありながら、都会の喧騒を忘れさせてくれる落ち着いた街、永福町。日本文化の素晴らしさを伝える隠れた名所がたくさんあり、日本の日常を覗きたい人にはぴったりの場所です。今回はほんの一部のスポットを紹介しただけですが、まだまだ魅力的なスポットがたくさんあります!皆さんもぜひご自身で足を運び、お気に入りのスポットを探してみてください。

この記事に掲載されている情報は、公開時点のものです。

ライター紹介

Kim
Kim S.
アメリカで生まれ育ち、現在は東京を拠点に活動しています。日本の伝統文化が大好きで、レトロやローカルな雰囲気、タイムスリップしたような気分にさせてくれる場所を求めて、日本中の静かな街や穴場を訪れています。47都道府県のおいしいコーヒーショップや知られていない素敵な場所を探すのも楽しみのひとつ。
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